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1215ランチョンセミナー 演題1抄録

新潟で発見された越後白雪茸の機能性
     新潟薬科大学名誉教授 小西徹也 先生

昔から健康長寿の食材として知られるキノコは食養・食療の観点から魅力的な素材である。越後白雪茸は1994年に新潟県魚沼地方の山中で発見され、1997年に培養法が確立された担子器を作らない特殊なキノコで、胞子を介さず増殖し、培養条件により様々な形態の菌塊を作る。当初、白トリュフとして日本応用キノコ学会に報告されたが、遺伝子解析により担子菌類に属する新種キノコであることがわかりBasidiomycetes-X(後に越後白雪茸として商標登録)として独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センターに登録された(受託番号FERM BP-10011)。現在では新潟のマイコロジーテクノ(株)が人工栽培法を確立し、新しいキノコ素材越後白雪茸として市場供給されている。地元の一部でお茶などとして飲まれ、抗ガン性を持つ貴重なキノコとして知られていた様であるが、白雪茸はβグルカンの含量や抗酸化活性が他のキノコに比べて高い特徴がある。マウスの脾臓を使ったPFC法による抗体産生細胞の顕著な増加や、末期ガン患者のNK細胞活性など免疫状態の改善が画限局的な臨床観察、アトピー性皮膚炎改善の臨床観察などが得られたことで本格的な機能性研究の対象として興味をひくことになった。
現在まで、遺伝的肥満誘発ラットや高カロリー食長期飼育によるラット肥満モデルで抗肥満、内臓脂肪抑制、インスリン感受性改善、脂肪肝抑制、肝機能改善、血糖値上昇抑制など生活習慣病の予防・改善に対する顕著な機能性、さらに非アルコール性肝障害(NASH)モデルラットによる肝臓保護作用の詳細な検討から、NASHの予防と改善が大いに期待される素材であることなどが明らかにされた。その他潰瘍性大腸炎モデルによる抗炎症性やアトピーモデルによる製品のアトピー改善作用など白雪茸の多彩な機能が明らかにされており、同時に進めている成分研究でも新規のピロールアルデヒド誘導体が同定されている現状にある。

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小西 徹也 プロフィール

1964年、東京薬科大学卒業、同大学院修士課程修了。1966年、同大学薬品物理化学講座助手として同位体トレーサーによる薬物代謝研究を推進。
博士学位取得後、1975年、米国カリフォルニア大学バークレー校、生理・解剖学部へ留学、博士研究員として、後に同大学ローレンスバークレー校研究所生化学研究員として生体エネルギー変換の研究に従事。1978年、新たに開学した新潟薬科大学に生物物理化学・放射薬品科学研究室助教授に着任、同教授。1999年、応用生命科学部の解説に伴い食品機能・食品分析化学研究室を開設、食薬同源の現代科学的研究を推進。2010年から同大学産官学連携研究センター長として次世代型機能性食品開発など産官学連携研究を推進、長春中医薬大学など海外との連携も進めた。定年後長春中医薬大学に特任教授として赴任、2016年まで国際連携研究室の整備、共同研究を推進した。現在、オフィスHALD食品機能研究所を主宰、機能性食品開発研究のコーディネート、共同研究を進めている。新潟薬科大学名誉教授。
  

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