【7月】血糖値をコントロールする
2018.07.10
血糖値をコントロールしなければならない理由
今回は、インスリンが全く出なくなり、インスリンを定期的に注射しなければならない1型糖尿病は別として、日本人の糖尿病患者さんのタイプの大部分を占めている2型糖尿病についてお話させていただきます。
血糖値が異常に高く早急に血糖値をコントロールする必要がある重症な方を除いて、2型糖尿病と診断されてもすぐにお薬に頼る必要はありません。

原因を放置して対策を取っても効果は少ないですよね。冬に窓を開けっ放しにして(原因)、寒いからと開いている窓をそのままにして暖房をつける(お薬を飲む)人はいないと思います。まずは窓を閉めて寒気が入るのを止める。それからできるだけ厚手の衣類を身に着けて暖を取るというように原因に対して対策を講じますよね。
糖尿病と診断された瞬間からまずしなければならないのは、今までの生活を改めるということです。
これは糖尿病だけではなく癌を含めた動脈硬化、高血圧など生活習慣病全般に言えることです。
糖尿病はそれ自体が直接死に結びつく病気ではありません。
血糖値をコントロールせずに放置しておくことによる『合併症』で命を縮めるのです。
以下が糖尿病3大合併症です。
●糖尿病性神経障害
抹消の神経がやられてきます。
一般の人は靴に小石が入っているとすぐに違和感を覚えて靴を脱いで小石を出しますが、神経がやられてくるとこれがわからなくなります。そうすると足の裏に傷がつき、そこから細菌が入り重症化すると『足を切断』しなければならなくなります。
また、食べ物が胃腸に入ると神経がこれらの蠕動運動をさせるのですが、うまく動かなくなることによって便秘や下痢などがおこります。
●糖尿病性網膜症

●糖尿病性腎症
腎臓の機能が低下して最終的には『透析』をしなければならなくなります。初期透析導入原因の一位が糖尿病性腎症です。
血糖値をコントロールするということは、これらの合併症を予防することです。
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■研究室から
2018.07.10 | カテゴリ: 研究室から